大学研究室の歩き方講座

【スキット】正しい「研究室飲み会」のあり方

(研究室での追い出しコンパ、会場の居酒屋にて)

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院生「えー、では皆さんお揃いのようなので、追いコンを始めたいと思います。わたくし、K原が幹事を務めます、よろしくお願いします」

(パチパチパチ)

院生「卒論、修論の審査会も無事終了し、研究室から離れる方を今日は盛大にお送りしたいと思います。そもそもA田研はスターリングエンジンの研究からスタートした研究室ですが……」

助教(なかなか、スピーチのうまい学生だなぁ)

院生「……A田教授も今年の学生には非常に期待するところが大きいと言っておられ,また……」

助教(おいおい、教授の台詞もしゃべっちゃってるよ、どうなってんの? まさか……)

院生「……ということで、では皆さんお疲れ様でした、ご唱和ください、かんぱーーーい!」

助教「おおおおおーーーー−いっっっっっ!! 乾杯の音頭は教授がやるもんだろうがぁーーーっっっ!!」

院生「えっ?」

教授(苦笑)

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:今回は飲み会のお話ですね。K原君が、飲み会の段取りを良く分かっていないということなのでしょうか。

:そうですね。他にも以下のような事例を知り合いの教員から聞いたことがあります。

  • 新しく研究室に配属された4年生を歓迎する飲み会のはずが、学年ごとに固まって座ったために全く歓迎になっていなかった。しかも4年生が教授に挨拶することなく帰宅。
  • 毎年、卒論審査会が終わった後に飲み会をするのが恒例になっていたので、審査会後に部屋で待っていたが誰も呼びにこない。気になって学生の部屋に行ってみたら既に電気は消えており、学生はすでに夜の街に繰り出していた……。

:何というか、笑うに笑えないですね……。

:はい、笑うに笑えません。しかし実際にあった話です。

:お話を聞いていると、学生のコミュニケーション能力に問題があるような気がしますね。

:昨今の学生のコミュニケーション能力についてはよく指摘されるところです。教員の方からも、「最近の学生は……」という台詞をよく聞きます。しかし、「最近の若いモンは……」は古代から脈々と受け継がれていた台詞。世代が変われば価値観も違うのが当然です。ですから、「学生と教員の間で、コミュニケーションに対する考え方が違ってきている」というのが正しいと思います。違いを事実として受け入れた上で、じゃあどうすればいいのかを考えるのが重要です。

:なるほど。あと,今の学生はあまり飲み会をしない、というのを聞きますよね。

:そうなんです! 飲み会、やらないんですよね。社員教育などに携わるあるコンサルタントから聞いた話なんですが、「若手社員向けに、『飲み会の幹事講座』を企画してもらえないか」という依頼をしてくる企業もあるのだとか。飲み会をやらないから、どうやったらいいのかが分からないわけです。

:研究室にとって飲み会というのは、不要なものなのでしょうか?

: とんでもない! 研究は一人ではできないもの。お酒はもちろんですが、「同じ釜の飯を食う」という行為は、お互いを理解するのにとっても有効なんです。「研究室運営」という視点で考えると、飲み会というのは単に娯楽ではなく、学生—教員間、学生間でのコミュニケーションの土壌をつくる重要な「仕組み」です。

:なるほどー。でも学生は飲み会がどういうものかよく知らないんですよね。どうすれば上手に飲み会を開催できるのでしょうか?

:私としては、「伝えるべきことは伝える」というのが大事だと思います。学生は礼儀知らずでも悪気があるわけでもなく、単に飲み会がどのようにして行われるのか、ということを知らないだけなのです。知らなければ教えてあげればいいのです。その際、やみくもに怒るのではなく、こういうものなんだけど、知ってた? と話すのが有効でしょうね。これも立派な教育です!

:私も、上手に幹事ができるようにがんばりたいと思います!

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