先日、高橋真吾先生(早稲田大学大学院 創造理工学研究科/経営システム工学専攻
)の研究室に伺い、高橋研究室での取り組みについて、非常に示唆に富むお話をお聞きしました。
研究室のwebページにあるメンバー構成の通り、高橋研究室は学部生~博士まで数十人を抱える大所帯です。
多くの人間が時間と空間を共にして研究を進める際には、ボランティアでは処理しきれない多くの仕事が生じます。こうしたタスクについて、高橋研究室ではゼミ係、環境係、IT係…等々、かなり明確に担当を決めていました。しかし、その係活動がどうもうまく実施されない…。こうした経緯で、研究室をあげて研究室運営について考える取り組みが始まったそうです。
取り組みの目玉は、プロのコンサルタントの方と連携して行った、研究室合宿での議論です。泊まりがけでの合宿では、まずはWorld Cafe(ワールド・カフェ)という手法を用います。ここでは「自分にとって大学生活とは何か?」といった抽象度の高いテーマから議論を始め、メンバーの考えを共有します。
続いてオープン・スペース・テクノロジー(OST)という手法を用います。ここではメンバーからボトムアップに出されたテーマの中からメンバーそれぞれがテーマを自由に選び、自由に議論します。議論の様子を動画で見せていただきましたが、「研究室における係活動」、そして「研究室での“絆”」といったテーマが次々と学生から出され、長い時間、真剣に議論している様子は印象的でした。
取り組みは合宿だけで終わりではなく、現在も研究室内でタスクフォースが問題解決のために活動中とのことです。研究室には、合宿での議論をまとめられた巨大なポストイットが、壁の一部を占領していました。
以上の高橋研究室の取り組みからは多くの示唆を得ることができました。例えば、
研究室運営を考え、決める主体について
(先生ご自身も、学生からどんな話が出るのか心配になったり、自分が議論に入ることの影響を考えたりしたこともあったとのこと。誰がどこまで、研究室運営について考え、決めるのがベストなのか?難しい問題です。またこの取り組みに関しては、プロのコンサルタントによるファシリテーションの意味、そして取り組みの中の実践知も重要です。)
研究室の運営について考えることそのものについて。
(合宿前も、大学院進学予定の学部4年生,修士1年、博士課程、助手などが中心となり、時間をかけて準備をしたとのこと。合宿の議論そのものもかなりヘビーです。学生の方からも、「研究室によってはできない話や、話に参加しない人ばかり、ということもあり得る」という意見がありました。研究室運営について、メンバーで考え、話すことが可能になる状況そのものが、ひとつのポイントだと考えられます。)
研究室の日常生活の中の「より良く学べる・研究できる」環境ももちろん重要ですが、それと同じくらい重要なのが、研究室の中での“問題”についてメンバーが考え、話し、解決していく仕組みだと思います。高橋研究室のこの取り組みの成果と取り組みの中の実践知はこれからも追跡していきたいですし、他の多くの研究室にとって有用な方法論として確立できると考えています。今後の報告についても、ご期待ください。
取り組みの内容を快く教えてくださり、また、公開を許可してくださった高橋先生には、この場を借りてお礼を申し上げます。
[岡本絵莉]









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