隣の研究室~とある大学院生の日記~
とある大学院生の日記(18)
<前回までのあらすじ>
研究室見学の説明会に、アニメ声の
女の子が参加した。
—————————————–
4月20日木曜日、14時20分。
プリンタから出てくる紙をホチキスでとめ、
山野は3人分の書類を完成させた。
自分のこれまでの研究内容と、今後の研究計画、
参考論文をまとめた書類だ。
当初は20ページを超す大作だったが、
内容を削りに削って、5ページにまとめた。
まとめる作業だけで朝3時までかかった。
研究室の共有机に書類を起き、
説明する流れを頭の中で復唱する。
「山野さん、ういーっす」
佐藤が、ひょこっとドアから顔を出した。
「あのー、ミーティング、まだっすよね」
「うん、まだ。宮本さん来てないし」
山野が答えると、佐藤はニヤッと笑って、
「ちょっと、トイレ行ってきます」
と言い、ドアから出していた顔を引っ込めた。
3分後、戻ってきた佐藤の髪の毛は
さっきよりもツヤが増しており、
全体的に、髪の毛が逆立っている。
「なんかつけたの? 頭に」
「レディの前では身だしなみは大事っすから」
佐藤は自慢げに髪の毛をいじりながら、
「これが毛束感ってやつです」とも付け加えた。
14時半を3分ほど過ぎたが、宮本は現れない。
「宮本さん、遅いっすね、電話かけてみますわ」
「えっ、お前、電話番号しってるの?」
山野がやや狼狽して聞くと、
「やだなあ山野さん、なに狼狽してるんすか
同じ研究グループなんだから当然でしょ」
と答えた佐藤の携帯には、
山野の電話番号は入っていない。
佐藤が電話をかけると、
バタバタという靴の音とともに、
着信メロディーが研究室に近づいてきた。
「すみません、遅れました!」
研究室にアニメ声が響き渡る。
山野はこれから、佐藤と宮本と一緒に、
研究を行っていくことになった。
宮本は、新しい4年生で、相武紗季似の21歳、
独身女性である。
山野にとっては、後輩と一緒に研究をすることは
初めての経験である。
当然、女の子を後輩に持つことも、
初めての経験である。
加えて言うと、女性とこんなに間近で話をするのも、
初めての経験である。
「えー、じゃあみんなそろったので、
ミーティング始めます」
初めてづくしの、山野のミーティングが
幕をあけた。
(つづく)
<前回までのあらすじ>
研究室見学の説明会に、アニメ声の
女の子が参加した。
—————————————–
4月20日木曜日、14時20分。
プリンタから出てくる紙をホチキスでとめ、
山野は3人分の書類を完成させた。
自分のこれまでの研究内容と、今後の研究計画、
参考論文をまとめた書類だ。
当初は20ページを超す大作だったが、
内容を削りに削って、5ページにまとめた。
まとめる作業だけで朝3時までかかった。
研究室の共有机に書類を起き、
説明する流れを頭の中で復唱する。
「山野さん、ういーっす」
佐藤が、ひょこっとドアから顔を出した。
「あのー、ミーティング、まだっすよね」
「うん、まだ。宮本さん来てないし」
山野が答えると、佐藤はニヤッと笑って、
「ちょっと、トイレ行ってきます」
と言い、ドアから出していた顔を引っ込めた。
3分後、戻ってきた佐藤の髪の毛は
さっきよりもツヤが増しており、
全体的に、髪の毛が逆立っている。
「なんかつけたの? 頭に」
「レディの前では身だしなみは大事っすから」
佐藤は自慢げに髪の毛をいじりながら、
「これが毛束感ってやつです」とも付け加えた。
14時半を3分ほど過ぎたが、宮本は現れない。
「宮本さん、遅いっすね、電話かけてみますわ」
「えっ、お前、電話番号しってるの?」
山野がやや狼狽して聞くと、
「やだなあ山野さん、なに狼狽してるんすか
同じ研究グループなんだから当然でしょ」
と答えた佐藤の携帯には、
山野の電話番号は入っていない。
佐藤が電話をかけると、
バタバタという靴の音とともに、
着信メロディーが研究室に近づいてきた。
「すみません、遅れました!」
研究室にアニメ声が響き渡る。
山野はこれから、佐藤と宮本と一緒に、
研究を行っていくことになった。
宮本は、新しい4年生で、相武紗季似の21歳、
独身女性である。
山野にとっては、後輩と一緒に研究をすることは
初めての経験である。
当然、女の子を後輩に持つことも、
初めての経験である。
加えて言うと、女性とこんなに間近で話をするのも、
初めての経験である。
「えー、じゃあみんなそろったので、
ミーティング始めます」
初めてづくしの、山野のミーティングが
幕をあけた。
(つづく)
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