大学研究室の歩き方講座

【スキット】教員をいらっとさせる場面 その4:一応やったつもりですけど・・・

教員をいらっとさせる場面 その4:一応やったつもりですけど・・・

(論文の英訳ゼミにて)

院生「で,これが先週やった結果なんですけど..(ペラッと一枚の紙を見せる)」

教員「どれどれ.. なんだこれ? 文字ばっかりで図の解説がないじゃない.それに,日本語もめちゃくちゃだし.ちゃんとやってきたの?!」

院生「一応やってきたつもりですけど・・・」

教員「一応? 一応って何よ? よくみたら,緒言と結言しか訳してないじゃないか.これだとこの論文を熟考したことにならないよ!(ぷりぷり,ぷりぷり!怒)」


岡:英訳ゼミの話しですね.

宮:はい.英語の論文を訳して発表し合うというゼミは,多くの研究室で行われていると思います.英語の勉強にもなりますしね.

岡:今回は「一応,やったつもり」という言葉が,先生をいらっとさせるわけですね!

宮:はい.その通りです! やっぱり,これはまずいっしょ.

岡:なんとなく,私にも分かります.ちょっと反論っぽいですものね.

宮:そうですね.特に教員が重要視するのは「自分の準備不足を認めない」という点です.やってきたのは分かってる.でも,それが不十分だってところを指摘しているのに,そこを認めない.. そうすると,その院生にはまったく成長の余地がなくなっちゃうでしょ.

岡:なるほど.内容が不十分ですって言われているのに,「いや,充分です」というと,そこで議論が完結しちゃいますよね.どこがどう不十分なのか?を認めて,それにたいして改善しようとしないと,成長はありえない・・

宮:そうですそうです!ではここで今回のマジカルメソッドを!

ギミアチャンスアゲン

岡:ではスキットをご覧下さい.


(論文の英訳ゼミにて)

院生「で,これが先週やった結果なんですけど..(ペラッと一枚の紙を見せる)」

教員「どれどれ.. なんだこれ? 文字ばっかりで図の解説がないじゃない.それに,日本語もめちゃくちゃだし.ちゃんとやってきたの?!」

院生「・・・わかりました.確かにもっと時間をかけるべきだったと思います.ちょっとこの論文を甘く見ていました.もう一度,チャンスをいただけないでしょうか?」

教員「そ,そうか! ちゃんと自分でわかっているんだったら,大丈夫だな.次週,もう一度提出しなさい.」

院生「はい.がんばります.」

教員「うむ.期待してるぞ!」


岡:すばらしいですね!先生の顔が満足そうです!

宮:「一応やったつもりですけど」なんて言葉は,一般社会では禁句です.お客様からとりあえずプランを提出してって言われて,やっつけで作ってなんとか提 出.それを見たお客さんが「何これ?しっかり考えてないんじゃない?」といったときに「一応やったつもりですけど..」なんて言えますか?そんなこと行っ た時点で”終わり”ですよね.

岡:あー その例はとてもしっくりきますね.納得できます.

宮:言い逃れはしない.自分がどれだけやったかが問題ではなく,自分のやったことに対して,相手がどう感じるかが全てなんです.

岡:確かに「そのプラン,徹夜して作ったんですけど」なんてお客さんに行ったところで,「は?」ってなるだけですものね(笑

宮:個人的な意見ですが,成長するために最も必要な心構えは,努力でも熱意でも野望でもなく「素直さ」であると思ってます.

岡:みなさん,ぜひ使ってくださいね!

今回の学び For 教員

わかります.わかります.教員のみなさんの気持ち.研究会ゼミで「え?それだけ?」って内容の発表を聞いたらがっくりしますよね.果たして「全然 ちゃんとやってないないじゃないか?!」と怒るべきか,はたまた,優しく「普通にやっていれば,もうちょっと進んだんじゃない?」なんて聞くのか...  悩ましいところです.コーチングスキルからいうとまず「研究,おもったよりすすんでいないようだね?」といったん尋ねた後,「研究進展に対して何が障害 だったの?」と尋ねるのがよいとされています.頭ごなしに怒っても,「研究をすすめなきゃいけない」というそもそものモチベーションが薄い学生には,「単 に怒られた」としか受け止めまられませんし,いいかえると「先生に怒られるから研究をする」というネガティブ・モチベーションによってしか研究をしなく なっちゃいますしね.これじゃあ,自発的に熱意をもって研究する学生は育ちません.ただし,一昔前のように教員と学生に強固な信頼関係(師弟関係ともい う)がある先生の方は,ばんばん怒ってくださいね(笑 学生はあなたを信じてしっかりついて行きますから!

なお,今回のスキットネタはY大学U教授からの投稿ネタです!U先生,ありがとうございました!

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