教員をいらっとさせる場面 その3:教員も学生も不毛な発表~説明不足だよ・・・~
(毎週の研究会にて)
院生「で,これが先週やった結果なんですけど..(パワポのスライドを見せる).このように,無事,白い線が動いております! 以上です.」
教員「いやいや,以上!じゃないよ.全然わからないよ.その白い線がなんなのよ?」
院生「ですから,これは顕微鏡観察結果でして,この白い線がF-アクチン繊維でして,無事,この繊維が基板上を動いていることが確認され・・・」
教員「無事確認されっていっているけど,そもそも,動いた方がいいの?動くことを確認したい実験だったの? あと,その写真にはスケールがないよ?その繊維の長さはどのくらいよ? とにかく,全くわからないよ!」
院生「しょぼん・・・」
岡:研究ゼミの話しですね.院生ががっくりしています.
宮:はい.はっきりいって,こういう研究発表は時間の無駄といえます.
岡:かなりきついご意見ですね~
宮:そもそも研究発表の場というものは「研究の進捗確認とその内容の吟味(ディスカッション)」をする場であると思います.しかし,今回の研究会では,まったく研究の議論ができていませんからね.まさに,時間の無駄です.
岡:なんとなく,私にも分かります.何が悪いんでしょうか?
宮:はっきり言いまして,以下の内のどれかです.
学生の発表力が不足している
学生の発表力はあるが,準備不足だった
宮:なお,根本には「教員の指導怠慢」が原因であることを,教員として付け加えさせていただきます.
岡:謙虚なのか,自虐的なのか,よく分かりませんが(笑,先生も反省すべきということでしょうか・・・?
宮:ま,そうですね.今回は「準備不足」はおいといて,「発表力が不足している」に焦点を当ててみます.マジカルワードは以下です.
おかんに説明する気持ちで
岡:ではスキットをご覧下さい.
(毎週の研究会にて)
院 生「で,これが先週やった結果なんですけど..(パワポのスライドを見せる).本来の研究の目標は○○○なのですが,この実験はその目標を得るために確認 しなければならない○○を検討するものです.この黒い四角は蛍光顕微鏡写真です.図中の白い線は,F-アクチン繊維です.この写真の一辺が500ミクロン ですので,繊維の長さは約50ミクロンといえます.実験条件は○○であり,その結果,図のように,○から○方向にむけて移動していることがわかります.こ れにより,○○は無事確認することができました.従って,次週からは次のステップである○○の実験へと移る予定です.以上です.」
教員「その条件だけでなく,ほかの条件も試したのかね? その繊維は温度にすごく敏感だから,その点を考慮した実験系をくまないとだめだよ.あと・・・」
岡:なんか,普通に研究の話が続いてますが・・・ これで成功ですか?
宮:はい.大成功です.このように普通に研究の話ができないとだめです.得てして,研究発表会は「プレゼン学習会」になりがちですので・・
岡:プレゼン学習会? どうゆうことですか?
宮:発表力がないために,全然研究が伝わらない.結果,発表の仕方についてのやりとりばかりになってしまう.それって,まさに「プレゼン学習会」でしょ?
岡:確かに! それ,あると思います!(←天津木村風にお読みください)
宮:わかりやす説明のためには研究発表の相手を「自分の母親」と想定して行うようにしてみましょう.発表の相手は,まったく異分野,しかも,おかん! お かんに説明するとなると,かなりゆっくりじっくりと説明する必要があるでしょ.そのくらい丁寧に詳しく,かつ,的確な発表が必要となるのですよ.
岡:みなさん,ぜひ使ってくださいね!
今回の学び For 教員
発表力ってのは,一般的な研究室なら先輩の研究発表を見習って後輩たちには自然と身につくものです.でも,研究テーマがばらばらでなかなか一貫性を とれない研究室の場合は,本当に悩みなんですよね.発表力というものは,研究力ときってもきれない関係.就職するにも進学するにも必須スキルであること は,ほとんどの教員のみなさんには納得いただけることでしょう.個人的には,発表スキルを養う学習会と,研究の話をする研究会を分けてやることをおすすめ します.プレゼン学習会はたとえば,前期だけでいいのです.学生に発表をやらせ,徹底的にフィードバックを与える.発表スキルを競わせる.いろいろやり方 はありますよ!





Discussion
No comments for “【スキット】教員をいらっとさせる場面 その3:教員も学生も不毛な発表~説明不足だよ・・・~”