コンコン(ノックの音)
院生「あ.先生.忘年会についてですが...」
教員「あん?何?どしたの?」
院生「今月の○日に決定していたんですが,その日は学生全員がもちつき企画の手伝いをさせられるそうなんで....」
教員「・・・・で?」
院生「いつにしたらいいでしょうか?」
教員「なんだとぉ.. もう日程は埋まってるよ!来年まで空いてないわー!」
岡:忘年会のネタですか~ シーズンですね.
宮:はい.実は今,僕の目の前で起こったシーンをそのまま取り上げました.若干デフォルメしてますが.
岡:おー タイムリーですね.さて今回もまた先生のご機嫌を損ねたようですが...
宮:このやりとりの問題点は,一般企業で働いておられる方ならすぐにお気づきかと思いますよ.
岡:確かに学生さんは何かはっきりしてないですね.具体的な解説をお願いします.
宮:3点あります.まず,いきなり「忘年会についてですが・・・」と問いかけてますよね.
岡:別に問題ないようにも思いますが..
宮:学生が先生の部屋をノックして入っていくと言うことは,先生の仕事を中断しているわけでしょ? もしかして,電話中かも知れないし,会議に出て行く直 前かもしれない.そうゆうときにいきなり要件を切り出されると,相手には「ディスターブされた!」という感情しか起きないんですよ.
岡:なるほど.そこで出だしから躓いているわけですね.
宮:2点目は文章が完結してない点です.「その日は学生全員がもちつき企画の手伝いをさせられるそうなんで....」で終わってますが,聞き手は間違いなく「で,何よ?」って思いますよね.きちんと最後まで「日程の変更をお願いします」と言わないと!
岡:確かに!まして相手にお願いをするのですから,そこは明確に伝えるべきですよね.
宮:最後は「相手メリット」でないという点です.他人とのやりとりを円滑にする場合は,自分メリットではなく相手メリットで考える.これは基本中の基本です.相手をたてると言い換えてもいいかもしれません.
岡:具体的にいうと?
宮:では,ここでマジカル・メソッドを!
相手を殿様に置き換える
岡:殿様ぁ~,なんなんですかあ?それー
宮:まずはスキットをご覧下さい.
コンコン(ノックの音)
院生「あ.先生.ちょっとだけよろしいですか?」
教員「はい.どしたん?」
院生「忘年会の日程変更のお願いなんです.実は,今月の○日に決定していたんですが,その日は学生全員がもちつき企画の手伝いをさせられるそうなんです.そこで,再度先生のご都合を伺ってから新しい日程を決定しようと思った次第です.」
教員「ん.分かった..えっと... □日ならOKかな..」
院生「わかりました!ありがとうございます!」
教員「幹事,ご苦労さま.」
岡:すばらしいですね!すんなりいきましたよ!でも,殿様とは関係ないような..
宮:いやいや.実は彼は先生に話す前にシミュレートしたのです,相手は「殿様」だと思って.つまりこうです.
今は江戸時代.もし殿様にお願い事をするときは,そりゃあもう緊張しまくりだ! だって,下手したら打ち首!!そそうがないように,ちゃんと考えなければ!
・ご機嫌を損ねないためにはどうしたらいいだろう?
・お時間を取らせないように,わかりやすく伝えるためにどうしたらいいだろう?
・「なぜ?」など質問がないように伝えるためにどうしたらいいだろう?
岡:なるほどー!自分が家臣で殿様にご進言するときは,確かにそこまで入念に考えますね!打ち首はイヤですものね.
宮:ポイントは,まず「許可」を求めていること,「依頼事項」を最初に明確に伝えること,最後に「相手(上司)の都合」を優先させていることです.
岡:なるほどー.
宮:もしかして「そこまでいちいち気を遣うか~?普通ーありえんしー」というドライな人もいるかも知れません.しかし,本来,日本人は他人のことを 「よそ様」「他人様」「世間様」と行ったように「様」までつけて社会形成をしてきた民族です.相手のことを重んじる気質こそ大事.そこに立ち戻りましょ う.
岡:それに,相手の立場に立って考えることが習慣になれば,意識せずにそういった立ち振る舞いができますよね!みなさん,ぜひ使ってくださいね!
宮:なお,もう一つ上のできるヤツなら「先生,1分だけいいですか?」「1点だけいいですか?」など,定量的な数字をいれてお願いします.すると,相手に論理的な印象を与えることが出来ますよ.
今回の学び For 教員
今回のスキットは,本当に目の前で起こったことです.主語+述語の組み合わせになっていない文章で話す学生は本当に多いですよね(僕も日々気をつけ ている立場ですが).その他に多いのが「先生,えっと,あの件についてなんですけど...」とか(笑.「あのって何やねん!」とつっこみまくりですよ.夫 婦間なら「あれ,取って」で通じるかも知れませんが... 社会へと育つ前になんとしても研究室内で成長してもらいましょう!そのためには,いちいち言う ことしかないと思います.あるいは指摘するのが面倒なら,そうゆう場面に遭遇した際にこのスキットを印刷して渡してあげてくださいませ・





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