スキット: 教員がガックリくる言葉 その5
教員「さあー,研究会はじめようか.最初は○○君の発表だったね.」
別の院生「あ,すいませんが△△くんの発表を最初にしていいですか?」
教員「え?なんで?」
院生「プリンターの調子が悪くて,配付資料の印刷が間に合わないそうです.」
教員「プリンターだってぇ?!そんなことが遅れる理由になるわけないじゃないか!!」
岡:研究会において院生は配付資料を持参するのが一般的なんですか?
宮:それは様々ですね.パワーポイントだけの研究会もありますし,配付資料だけの研究会もあります.
岡:今回のスキット,院生が発表に間に合わなかったので先生が怒っているというだけのことではないのですか?
宮:いってしまえばそうです.でも本スキットでは「プリンター」という点に注目したいと思います.教員は「プリントアウト」をいいわけにしている点に極度に反応しているのです.
岡:それはどうゆう意味ですか?
宮:「プリントアウト」といういいわけには実は別の意味合いが含まれています.それは「すでに発表準備は終わっているのです!」という意味なんです! 院生の本音はこうです.
「すでに発表準備は終わっている.俺はやりとげた.でも,最後の印刷だけが終わってないんだ.プリンターの調子が悪いせいだ.俺は悪くない」
岡:あー なるほど!彼はぎりぎりセーフであることを強調したかったのですね.でも,はっきりいって資料の印刷も発表準備の一部ですよね.
宮:そうでそうそうです!だから,教員はいらだっているのです.印刷に要する時間を考慮していないのか?!ってところに.
岡:確かにそうですよね.これは一般企業においても同様のことが言えますよね.
宮:そこで,このマジカル・メソッドを!
トラブルシューティング
岡:トラブルシューティング,ですか?
宮:はい.まずはスキットをご覧下さい.
教員「さあー,研究会はじめようか.最初は○○君の発表だったね.」
院生「はい.では発表を始めます.まず前回からの課題ですが....」
岡:あれ?なんかスキットになってませんが...
宮:そうです.普段から「もしかして,プリンターの調子が悪かった場合もあるから,1前日のうちには印刷をやっておこう」というようにトラブルシューティングの習慣をつけていれば,最初のスキットのようになるわけはありませんからね.
岡:はあ.確かにそうです.でもちょっと期待していたのに残念(笑
宮:まあ,こんな時もあります(笑.しかし,このスキットの手の抜きように反比例して,このトラブルシューティングという考え方はとっっても大事です.研 究推進において必要不可欠!常にどのような事態が起こりうるか?をリストアップし,それぞれに対処法を考えておくという”習慣”こそが,できるヤツの必須 スキルなんです.
岡:具体的には?
宮:そうですね.具体例を挙げるとわかりやすいですのでいくつか書き出します.
例1)ある実験をしようとしたときこう考える.「もしこの部品が破損したら実験はストップしてしまう.予備はあるか?」調べてみると予備はゼロ!実験と同時にすぐに発注処理をしておいた.
例2)ポスター発表会の1週間前.未だポスター原稿の作成をしているときにこう考える.「おそらく発表前日はプリンターが混雑するだろう.ならば,前々日には仕上げて印刷しておこう!」
例3)実験をおこなった直後,こう考える.「一応,予定通りの実験結果である3%の上昇を確認することができた.でも,この実験装置の精 度誤差は何%だったけ?! もし,仮に0.1%だったら問題ないが,誤差が5%だったら,今回得られた結果は誤差としてみなされちゃう! 先生につっこま れる前に,実験装置のマニュアルを確認して答えられるようにしておこう.」
岡:最後の質問はかなり高度ですね.できる研究者っぽいです.それにこのトラブルシューティングという考え方は研究だけに限らず,日常生活でも言えますね!
宮:おっしゃるとおり!コツとしては,自分で電子機器やソフトウエアのマニュアルを作ることをイメージするとよいでしょう.あーゆー説明書の後ろには必ず 「こんなときにはこうする」とか「FAQ」とかありますよね.あれを事前に用意しておくというイメージです.こう考えると,より具体的でわかりやすくな り,同時にトラブルシューティングを考えるのも楽しくなるのではないでしょうか.
岡:ぜひみなさん,使ってくださいね!
今回の学び For 教員
研究はまさにOJT.学生が配属されるとすぐに先輩の下につき,いきなり研究生活に突入です.一般企業ではOJTの前には必ず「研修」というものが ありますが,大学研究室にはこれにあたるものはあまりありません.新4回生が研究室に配属されたとき,初回のミーティングでビシッと研究のやりかたや研究 室のビジョン,そのあたりをしっかり伝えることが大事ですね.





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