大学研究室の歩き方講座

【スキット】教員がイヤな言葉その7:○○先生が言っていたので

スキット: 教員がイヤな言葉 その7


(研究発表会にて)
院生「前回の研究会で本技術のアプリケーションについて調べろとのことでした.それで,いくつか考えたのですが,例えば,○○に使用できるんじゃないかと思いました.あと△△とか,□□とかもあるかと思いました.」

教員「何その応用例?あまりにも的を外していると思う.どうやって調べたのよ」

院生「え・・・ あの,▼▼先生が言っていたので・・・」

教員「なに?▼▼先生がいってたからってそれが正しいのか?だいたい,▼▼先生は我々の分野のこと詳しく知らないじゃないか?!そんなやりかたじゃ,全然だめだよ!」

院生「...泣」


岡:今回は特に問題がないと思うんですけど...なぜ先生は怒ってしまったのでしょうか?

宮:いやいや.学生は教員に言ってはいけないNGワードを使ってます.まさに「▼▼先生が言っていた」です.

岡:なぜそれが使ってはいけないのですか?

宮:もちろん場合によりますが,今回のニュアンスだと「▼▼先生が言っていたことをそのまま記載した」というかんじですよね.そこが問題なんです.

岡:え?まだわかりません.▼▼先生がいっていたことを記載したらだめなんですか?だって他の偉い先生がいっていたことなでしょう?きっと内容も正しいはず.

宮:はい.内容は正しいかと思います.でも,▼▼先生のアイデアをそのまま載せては,学生が何も考えていないということになりますよね.つまり,そこに自分自身の創意工夫が感じられない.そこが気に入らないのです.

岡:あー なるほど.分かってきました.学生さんの努力がみられないということですね.

宮:そうゆうことです.それにもう一つ先生が怒る重要な要素もあります.それはサイエンティストとしての特性に強く起因しています.ズバリ,「他人のアイデアは気にくわない!」

岡:アーティストっぽいですね:笑

宮:おっしゃる通り.さて,今回のマジカル・メソッドはこちら.

立ち話

岡:立ち話,ですか...?

宮:はい.まずはスキットをご覧下さい.


院生「前回の研究会で本技術のアプリケーションについて調べろとのことでした.それで,いくつか考えたのですが,例えば,○○に使用できるんじゃないかと思いました.あと△△とか,□□とかもあるかと思いました.」

教員「何その応用例?あまりにも的を外していると思う.どうやって調べたのよ」

院生「基本的に自分で文献とネットによる調査です.応用例が悪いというのは,達成が難しいのではないかというご意見ですか?」

教員「まあ,それもあるけど,ちょっと唐突すぎない?」

院生「確かにそうかもしれません.一応,新規性が高いという観点から応用先を探していたためかもしれません.あと,▼▼先生に出会ったときにちょっと立ち話でコメントを頂いたりしまして,最終的にこう考えてみたのです.」

教員「そうか.じゃあ,次回の研究会ではその応用先にもうちょっと具体性をもたせて提案してみてくれる?」

院生「わかりました!出来る限りやってみます!」


岡:すばらしいですね!先生認めちゃいましたよ!

宮:「立ち話」という言葉は,なぜか「セレンディップな雰囲気」を漂わせています.おそらく,日本人特有の感性に触れるワードなんでしょうね.いずれにせ よ,偶然立ち話で聞いたという感じを伝えることで,わざわざ他の先生に答えをもらいに行ったというイメージを払拭することができるのです.

岡:すごい効果ですね!

宮:それに,やはり研究は自己責任です.例え与えられたテーマであっても,担当している以上学生のものなんです.「すべては自分の判断」という意識が一人 前になるために必要なことなんですよね.それを感じることができたために,先生も認めたのではないでしょうか?そもそも▼▼先生の意見だって悪くは無かっ たわけで(笑),単に,別のことが気に入らなかったからそこに怒りが飛び火しただけだったのですから.

岡:あと,前回のスキットで紹介されたマジカル・メソッドが2つも登場してますね.

宮:よくお気づきで!! 「オウム返し」と「出来る限り」のテクニックです.詳細は各スキットをご覧下さい.

岡:学生も最後にはやる気がでてますし,先生も満足そうです.これがWin-Win関係ですね.

宮:なお,「他の人に相談する」というのはとてもいいことであることを付け加えておきます.一人で考えていても良質のアイデアは浮かんできませんしね.

岡:ぜひみなさん,使ってくださいね!

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