大学研究室の歩き方講座

【スキット】学生が困る教員の理不尽な言動 その2:前回の打ち合わせを全く覚えていない編

トゥルル、トゥルル、ガチャ!

教員「あ、○○くん?」

院生「はいそうです。なんでしょうか?」

教員「あのさ、来年8月に△△って国際会議あるでしょ。あれ、応募しようよ。」

院生(え~?! それ、つい先週のミーティングで話したことやん! そのとき応募するって決めたやんけー!)

「あ。はい。わかりました。」

教員「よし。締め切りは今月末だから気をつけてね。じゃ。」ガチャ!

院生(ほんまに先生は全く覚えていなんだなぁ。。。 唖然。。。)


岡:短いスキットですけど、結構、衝撃的な内容ですね。こうゆうこと、よくあるのですか?

宮:はい。すごくあるんです!おそらく日本の大学院生の9割は同じような体験をしていると思います。

岡:そんなに・・・ なぜ先生は先週のミーティングのことを全く覚えていないんでしょうか?

宮:そこです。そこを考えてみましょう。教員が前回の話を全く覚えていない理由。それは以下のどれかです。

1)その話題に全く興味がない
2)パラレルの仕事の数が半端じゃないので優先順位の低いことから忘れていく
3)長期記憶能力が衰えてる

岡:大胆なご意見ですね。。。 ちょっと問題発言的なやつもありますけど。。

宮:はい。すいません。でも、「最近、長期記憶ができなくて・・・(笑」ってのは、教授のよくある口癖No.3にランクインされます。半分冗談ですが、半分マジです。

岡:でも、1番の「まったく話題に興味がない」ってのは、研究の話のことですよね? 研究に興味がないと?!

宮:いやいや。興味はあるのですが先生にとって優先順位は低かったのでしょう。だからその情報は脳から排除された。。というわけです。

岡:ではこの場合どうしたらいいのでしょう?

宮:マジカル・メソッドは・・・

相手メリット

岡:相手メリット,ですか?

宮:はい。では、スキットをご覧下さい.


~時間は先週のミーティング時にさかのぼる~

院生「あ。あと、先生。来年8月に開催される国際会議の件ですけど。」

教員「あー。欧州で開かれるやつでしょ。」

院生「それです。その国際会議に投稿する許可をいただきたいとおもった次第です。あの国際会議はバイオ系でもかなり規模が大きい方です。なので、そこで我々の研究を発表するのはとてもメリットが大きいかと思いまして。」

教員「なるほど。」

院生「それに若手向けにプレゼン賞ってのもあるそうです。今回の研究結果には自信がありますし受賞を十分ねらえるとも思うんですよ!」

教員「おー!いいんじゃない!よし、だそう!」

~その後、最初のスキットのような電話はなかったとさ・・・ めでたしめでたし~


岡:すばらしいですね! 先生は乗り気になってます!

宮:はっきりいって昨今の教授の忙しさははんぱないです。大学教員の仕事量は10年前と比べて2倍以上になっているそうです。絶えずオーバーワーク。そうゆう忙しい教員の脳にとどめておいてもらうには、脳のなかの優先順位を上げてもらう努力が必要なんです。

岡:そのために”相手メリット”なんですね。

宮:そうですそうです。自分がいいたいことだけをいうのではなく、相手にとってもメリットが十分にある!ということを伝えるのです。これは研究の場面のみにとどまらず、日常的なコミュニケーションを円滑にするためにも極めて重要なメソッドですよ!

岡:学生にとっては自分の研究を教員に覚えてもらっててWin! 教員も研究を把握できてWin! みなさん,ぜひ使ってくださいね!

今回の学び For 教員

耳が痛いですね~ 今回のスキットは(笑。ギクッとした先生方も多いのではないでしょうか。でも、忘れるのは人間だれしもあること。大事なのは忘 れていたことを素直にみとめて謝ることですよね。決して「僕が忘れるのはもう知ってるだろう!それを前提にしてくれなきゃ!」などといて開き直って逆ギレ することは避けたいものです(笑 なお、「学生のメリット」っていう視点も重要ですよね。一方的に「論文が書けるよ!」「うまく行けば特許がとれるよ!」 とか押しつけてませんか? 我々教員にとってはメリットでも、学生にとってはメリットではないことって多いですよ。「この子にとってのメリットは何か?」 を学生ごとに考えて指導する。それがうまくいけば学生はどんどん伸びます!

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