大学研究室の歩き方講座

【スキット】学生が困る教員の理不尽な言動 その1:そんなこと誰がいったの?(←自分なのに)

スキット: 学生が困る教員の理不尽な言動 その1


院生「(研究打ち合わせにて)・・・というわけで,○○を解決するために今□□について取り組んでいるわけですが,その結果もうまくいってません..」

教員「うまくいっていないのか..っていうか,そもそもなんで□□をやっているのよ!それは○○を解決するための直接的な解決方法じゃないよ!」

院生「え・・ そ,それは..」

教員「まったく,普段からちゃんと考えていないからだよ.誰がそんなこといったんだよ?」

院生「(せ,先生がやれっっていったのに..泣)」


岡:これはきついですね.

宮:かなりきつです.なお,このスキットは大学院生からの強い要望で実現したことをお知らせしておきます.

岡:なぜこのような事態が生じるのでしょうか?

宮:教員が学生の研究を覚えていない,継続的に把握しきれていない,ことが原因です.これまでのスキットでも述べたように教員は完全にオーバーワークです.かといって,教育をおろそかにする理由にはなりませんが..

岡:つまり,先生は多忙なあまり学生の研究を覚えていないため,単発的にその場その場で意見を言ってしまう.その結果,前と異なる意見をいってしまうということですね.

宮:そうです.ここで一つの問題が生じます.前と後の意見,どっちが正しいのか?と...(笑

岡:確かに!笑 どっちなんでしょうね.

宮:まあ,一概に言えませんが,多くの場合は後の意見のほうが正しいかと思います.

岡:この重要な事態.どのように解決したらいいのでしょうか?

宮:はい!そこでこのマジカル・メソッドを!

前説

岡:前説,ですか? これって「笑っていいとも」のタモリが登場する前の時間稼ぎにADさんがネタをひろうするやつのこと?

宮:はい.そうです.まずはスキットをご覧下さい.


院生「(研究打ち合わせにて)今週の研究発表を行う前に,まずこれまでの流れを説明します.当面の課題である○○を解決するために,先生から□□について取り組んでみたらどうか?という意見を頂きました.」

教員「あ,ああ(汗).そうだったね.」

院生「で,その結果なんですが,一応得られたのですが○○を解決するに十分な結果ではないかと思いました.」

教員「確かに..うーーん,もっと□□の実験をもっとこう改良してはどうだろうか?」

院生「なるほど.それだと○○の解決につながりますね.あと,僕は△△と考えてみたんですけどいかがでしょう?」

教員「あ.いいね.それも.よし,がんばって!」


岡:すばらしいですね!ちゃんとした議論になっていますよ!

宮:そうです.まず先に学生から「前回までのながれ」を説明するのです.それにより,教員の脳内に一気にその学生の研究を呼び起こさせることができます.そうしたから,本題に移るわけです.

岡:なるほど.だから前説ですか.でもこの前回までのまとめを掲示するっていうのは,一般的な社会人のルールとして一般的ですよね.

宮:そうです!いいところをつきましたね.一般的なビジネスマンにとっては普通のことです.でも,学生はそれを”知らない”.知らないだけなんです.だから,このスキットで「知った」ことで,次回からすぐに活かせるのです.

岡:なるほど.優秀な学生だとかそうでないとかではなく,単に知らないだけ.

宮:はい.だから教員はあらかじめ「知らせておく」だけでいいのですよ.ちょっと話題がそれましたが,この前説を行うということは,「相手の立場に立つ」ということなんです.

岡:具体的にいうと?

宮:前説をおこなう際の学生の心理はこうです.「先生は忙しい.今も2時間にわたる長い会議から部屋に戻ってきたばかりだ.その先生にいきなり自分の研究 の話をしても絶対に無理だ.ちょっと記憶を呼び起こしてもらうために何か工夫した方がいいじゃないか!」.こうやって,聞き手の立場にたってものごとを考 えるのはとても大事なことです.

岡:なるほど.相手の立場にたつっていうのはいろんな物事の原点でもありますね.

宮:なお,一つ上のできるヤツなら,前説の際に研究のすべて(目標,計画,現状)が把握できる研究のロードマップを掲示するでしょう.これは私が提案している「研究ツリーマップ」のようなモノです.ご興味ある方は,ミヤノのサイトへ.

岡:みなさん,ぜひ使って下さいね!

宮:あ.あと,スキットの最後で学生はしっかりと「自分自身で考え,それを提案している」というポイントも押さえておいてください.

今回の学び For 教員

今回は教員のみなさんにとって耳がいたい内容ではなかったでしょうか? 私の場合は,自分でとった前回からの研究ミーティングのメモをざっとみてか ら研究ミーティングに向かう事にしています.学生の時に「あー 先生は僕の研究,忘れてるなあ」と感じるのがとても残念だったので(笑.
旧「さて,研究会やろっか.で,前回まではどんなのだっけ?今回何やるのだっけ?」

新「さあ,前回からの課題の○○はどうなったかな!」
あきらかに,後者のほうが学生のモチベーションは維持されます.なお,スキットにも記載しましたが,「研究ミーティングの際の報告書はこうやるもんだ」というのを最初のミーティングでかっちり伝えればこうゆうミスもなくなるかと思います.

Discussion

No comments for “【スキット】学生が困る教員の理不尽な言動 その1:そんなこと誰がいったの?(←自分なのに)”

Post a comment

私たちは『いきいき研究室 増産プロジェクト』を応援しています