<前回までのあらすじ>
山野、ささチーが夕食。
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4月になり、山野は大学院2年に進学した。 ささチーを食べた夜から今までの間、 卒論発表練習で教授がぶち切れたり、 研究室追いコンで一番問題児だった学生が 男泣きしたり、卒業旅行に出かけた卒業生が海外で 盗難に遭い資金をEMSで緊急郵送したりと、それなりの 事件はあったものの山野の研究室は平均すると平和な日々 を送っていた。
山野はその間、就職活動のことは ひとまず忘れ、研究に没頭した。 誰も実験装置を使わないこの時期に、 思う存分研究をしてみようと思ったからだ。
思う存分やった割には、得られたデータも少なく、 加えて、レーザー変位計を自転車で輸送してセンサをだめにしたり、 顕微鏡のランプをONにしたままカバーをかぶせて カバーが溶け、ちょっとしたボヤ騒ぎを起こすなど、 いくつかのトラブルを巻き起こしたため、 研究の進展は期待するほどではなかった。
しかし、山野は山野なりに研究の楽しさに 少しずつ気付きはじめたようだった。 それはまるで、セルとの戦いを目前に控えた孫悟飯が、 父親である孫悟空と生活をともにすることで、 少しずつ自分の秘められた力に気付きはじめるような、 そんな感覚に近かった。 と、山野は勝手に想像していた。
今日から、新4年生の研究室見学が始まる。 山野の所属する学部・専攻は、女子の比率が全体の3%と、 魁!男塾も顔負けの男臭さだが、 どういうわけか、今年の4年生は、 女子の比率が20%と異常な高さを誇っている。
その中で、特に男子から人気の高い3人がおり、 「工学部三人祭」と崇拝されていた。
もしかしたら、三人祭に会えるかもしれない。 山野の漕ぐペダルにも力が入る。
(つづく)





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